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犬の毛質を決める遺伝子ーその2

先日紹介した論文の詳細です。

犬の毛質を決める遺伝子
Coat Variation in the Domestic Dog Is Governed by Variants in Three Genes. 
Science. 2009 Aug 27.

犬の毛質はRSPO2,FGF5,KRT71の3つの遺伝子で決まっているということ。

著者らはまず始めにダックスの3つの毛質に注目しました。

ワイヤー、スムース、ロング。

確かに一つの犬種でこの3つが明確に分かれているものはあまりないかもしれません。

96頭のダックスの遺伝子のデータセットからSNPを探したところワイヤーの毛質を決める遺伝子RSPO2を見つけました。

これはこの遺伝子を他の犬種で見てわかったことですが、実はワイヤーの表現型はRSPO2が決めている表現型の一部で、この遺伝子は長いひげやまつげに特徴付けられる毛の成長パターンを決めているものでした。

例えばこの遺伝子に変異を持っている犬種はシュナウザー、ヨーキー、マルチーズ、シーズー、ウェスティー、アイリッシュウルフハウンド、プードルなどが含まれます。

今まで気がつきませんでしたがこれらは大きい犬から小さい犬まで、外見も分類上もかなり離れた犬種ですがみんな口ひげを持っています。

おそらくこの変異は犬種を作る際に色々な犬種で別々に起こり現在まで保存されてきたのでしょう。


話は専門的になりますがこのRSPO2はWntと共同してβ-カテニンを活性化させます。

Wnt/β-catenin経路は毛の周期を調節する非常に重要な因子であるのでおそらくRSPO2も毛の成長、周期に関係し、口ひげをはやす表現型を作るのでしょう。


ですのでワイヤーの犬種がたまたま口ひげを持っているだけでワイヤーを決める遺伝子はまた別にあるのだと思います。

RSPO2に変異を持つ犬種の中でワイヤーのものとそうでないものでSNPを比較すればわかるかもしれません。

今後の研究に期待です。

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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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