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Veterinary Dermatologyの査読

獣医の仕事からは離れてしまっているのですが何を隠そうVeterinary DermatologyのEditorial Boardのメンバーなので定期的に査読の依頼が来ます。もちろん千差万別の論文がVeterinary Dermatologyに投稿されてくるので中には目を覆いたくなるような論文もあります。今回は査読の依頼が一度に二つきてまさにいじめのようですが断ることもできず二つとも引き受けました。問題はそのうちの一つの論文がまれにみるひどい論文。論文の構成もさることながら実験デザインも結果の解釈もめちゃくちゃです。コメントを書いていますがいずれにしろ間違いなくリジェクトです。
ただ僕が思っているのはこういう論文を書く獣医の研究者を責める気にはもちろん到底なりません。彼らはだってわざと低レベルの(こういうのは申し訳ないのですが)研究をして論文を書いているわけではありません。ただ単にきちんとしたサイエンスのトレーニングを受ける機会に恵まれなかっただけなのです。僕は幸運なことに(もちろん自らそういう道を積極的に選んできたのですが)獣医でありながら慶應の医学部、NIHでサイエンティストとしてのトレーニングを受ける機会に恵まれました。もちろん世の中にはそのようなレベルの場所でトレーニングを受けられない研究者も多いはずです。
Veterinary Dermatologyの査読はダブルブラインドの形式なので査読している側もオーサーが誰なのかわかりません。ただ実際はそれを推測できる箇所がいくつかある場合が多いです。例えば今回の場合はブラジルの保護施設から検体を入手しているのでブラジルの研究者です。北米でもヨーロッパでもないとすると余計にサイエンストレーニングの機会を得ることはとても難しいでしょう。でも内容から察するに一生懸命に時間と労力をかけてやった仕事だということはわかります。それだけに論文をリジェクトすることを申し訳なく思ってしますのです。厳しいコメントですが僕のコメントが少しでも今後の研究レベルの向上に役立ってほしいと思います。
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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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