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研究者として生きていくための資質とは?

今日ランチを食べた後ドイツ人のポスドクのトーマスと話していて、トーマスが「僕は研究者には向いていないのかもしれないな、なぜなら色々なことに興味があって一つの分野に集中して仕事をすることができないんだよ。」と言っていて少し視点は違いますが僕もその意見にとても共感しました。

NIHに来て4か月になりますがわかったことが3つあります。
1,NIHレベルのPI(独立研究者)として仕事をするにはかなり特殊な能力が必要である。
2,少なくとも今の僕にはその能力はなく、誰もがこの能力を持っているわけでもなく、僕が数年以内にその能力を獲得する可能性は極めて低い。
3,NIHレベルのPIになることだけが全てではない。

トップレベルでやっていく研究者には自分のプロジェクトに関して専門知識があるだけでなく、より幅広い知識を持つことが必須であるということを最近特に思います。
例えば僕は皮膚免疫をやっていますが、免疫という分野の裾野は広大です。
T細胞やB細胞から始まり樹状細胞やマクロファージ、腸管免疫や細菌、ウイルス感染など、これらの既存の知識から始まり最新の知見まで全てを網羅していなければならないのです。
結局そのように常にアンテナを張っていないとNatureやScienceを狙えるような本当にオリジナリティのある研究ができないのです。
そしてそれをするには一度に複数のタスクをこなす情報処理スキルと、尽きることのない貪欲な知識欲、そして本当に自分の人生の全てをかけるぐらいの覚悟が必要だということです。

そして僕には目の前にある自分のプロジェクトに集中するのが関の山で、大きなアンテナを張る余裕は今のところありません。
それはやはり根本的に仕事の処理能力のスピードの問題があると思いまし、情報のストレージの量の問題もあるでしょう。
日々仕事をしていて、あー自分は独立してこのレベルでやっていくのはちょっと想像できないなと思ってしまうのです。

そしてNIHレベルの研究者になることが全てではないと改めて思いますし、周りでそう考えている人も多いです。
ただそれはそのレベルをあきらめるというのではなく、自分により適正な仕事を見つけるということを意味しています。
これについてはまた次回に。

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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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