学術振興会特別研究員PDに採択

先日、日本学術振興会より特別研究員PDの採用通知がきました。
これは今まで地道に積み上げてきた業績と今後の研究の発展性に対して一定の評価がなされたものであり、研究者としては非常にうれしい結果です。
そしてもちろん今後3年間の研究費と生活費(決して多くはないですが)が保証されたことは一安心です。

学振の特別研究員制度をご存じない方のために説明しますと、
「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給する制度です。
とJSPSのホームページに記載されています。
ようするに大学院生または大学院を終了した若手研究者の面倒を国が見てあげようという制度です。
日本には大学院を出たての若手研究者、いわゆるポスドクを雇用するようなポジションがとても少なく、アメリカのように研究費の中からポスドク1人分の研究費を出すというのは困難です。
そのため日本のポスドクは自分のやりたい研究がある場合はこのような外部資金を取ってこないと大学で研究を続けることは難しいのが現状です。
現在僕は所属教室からなんとか資金を捻出して雇用してもらっていますので来年度からPDになれることで肩の荷が下りたとともに、教室にも恩を返せることができ安心しています。

今回PDの医歯薬枠には280人の応募があり、30人が面接免除で採択、30人が面接、残りの220人は不採択という結果でした。
僕は面接免除の30人に入れて面接でドキドキすることもなく、非常に幸運でした。面接までやって不採択というのはとても悲しい。。。
さらに不採択の220人の方の今後の生活を思わないわけにはいきません。もちろんPDの他にも選択肢がある方もいらっしゃると思いますが、中にはこれが唯一の道であり、これが通らないと研究を続けていけないという方もいらっしゃるかもしれません。
志半ばで研究者の道がたたれてしまうのは非常に無念なことでしょう。

世間には自分の好きなことをやって定職にもつかないような大学院生やポスドクの面倒を貴重な国の財源で見るというのはけしからん、すぐにこの制度はなくすべきだという論調があるようです。
世間から研究者が好き勝手やっていると見られるのは我々の責任でもあり、今後研究者が研究を通して社会貢献を行っていることを広く情報発信していかなければならないのは事実です。
しかしながら研究者の頭脳は一つの国の財産であり、今後の日本の産業を担う柱となっていきます。
それを若いうちから養成するということは、まさしく国が将来の国の発展ために投資を行っているに他なりません。
アメリカは大学院生やポスドクの給料が安定して供給されており(この経済危機でだいぶカットされたようですがそれでも日本よりはましです)、基礎研究に投資することが国家の利益につながるという方策を常に採っています。
日本はノーベル賞の受賞者数でも象徴されるようにトップを走っているアメリカの後ろの第2集団に属していますが、今後きちんと国が若手研究者の育成に予算を投入していかないと、国家規模のプロジェクトで研究者を養成している中国などにあっという間に追い抜かれてしまうでしょう。
そのためにもこういう制度は将来の国の基盤を支えるための投資だと考え必ず残さなければなりません。

僕は大学院生の時にもこの制度のDC1に採択され、今回はPDに採択されました。
合計国の財源から6年間サポートしてもらうことになりました。
だからというわけでもありませんが、これからもよりよい日本の国造りのためにも、研究を通して科学の発展に貢献し、日本の国際的な競争力を高めることに役立ちたいと思っております。

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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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