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もうすぐ読書の秋なのにまだ暑い

レンタルチャイルド (石井光太、新潮社)

先日読んだ「ヤノマミ」同様に読売新聞の日曜の書評欄で紹介されていた本。
これも衝撃的なノンフィクションです。
題名のレンタルチャイルドはインドの物乞いが施しの成果を上げるためにマフィアからレンタルする子供のこと。
マフィアは子供たちを誘拐し、障害を負わせ物乞いをさせる。
そんな子供たちがさらにマフィアになっていく。
インド社会の底辺に存在する闇の実像に迫った力作です。


安全なお産、安心なお産 (河合蘭 岩波書店)

現在の日本での出産の実情に迫ったレポート。
ハイリスク妊娠や帝王切開、NICUが必要な未熟児が増えている一方で、分娩を扱う産科が減っている現状。
その背後にあるのは高度化した医療と、患者と医師との信頼関係の欠如があるような気がします。
医療が高度化するに伴い、新生児の死亡率が減ってきている一方で、NICUに入る必要のある未熟児や障害を持った子供が増えるというジレンマがあります。
また医師は訴訟のリスクを恐れ、帝王切開を好む傾向があるようです。
人間の知的好奇心が続く限り、新しい知見に基づいた医療の高度化はこれからも進んでいくと思いますが、本当にその医療行為が本人と家族にとって幸せな結果につながるのかという根本的な問題をもっと議論する必要があるのではないでしょうか。


赤ちゃんと脳科学(小西行郎 集英社新書)

赤ちゃん学を知っていますか?(産経新聞取材班 新潮文庫)


両書とも胎児、乳児の能力や行動発達に関して現在までに解明されていることについて書かれています。
それらの知見と照らし合わせて、現在広く行われている育児の中には間違ったものがあることを指摘しています。

早期教育の中で親が重要視するものの一つが外国語教育です。
英語で苦労したことがある親なら誰でも我が子には早い時期から英語に慣れさせて、苦労させないようにしてあげたいと思うものでしょう。
小さい時から日本で英会話スクールに通わせることの無意味さは誰の目にも明らかだと思いますが、難しい選択肢は、親の仕事で家族が海外で生活することになった時に子供を現地校に通わせるかどうかです。
この選択は非常に難しいようです。
英語を覚えるという観点からは、現地校に入れることでバイリンガルに近い子に育てることも可能ですし、良い選択肢に思えます。
最初は全くしゃべられなかった子供が1年後に急に英語をぺらぺらしゃべりだすという話はよく聞きますし、周りにもそうやって育ってきた友達や、自分の子をそのように育てた人がいます。

ただ、この間に失うものも多いようです。
ニューヨークの幼稚園で在米日本人ビジネスマンの子供たちの成長を長年見てきた園長の話によると、日本語環境で育った子供が突然英語環境に放り込まれるとなんらかのトラブルが発生することがあるようです。
例えば、精神的、言語的な成長が一時止まる子や、年相応の表現能力を持っていない子が出てくるそうです。
いくら適応能力の高い子供といえども全く違う環境に行けば、相当の負荷が脳にかかるわけで、それに伴って脳の処理能力が追い付かないことはあり得るでしょう。

外国語を学ぶのはある程度年をとり母国語が確立されてからにするべきだという声が多くあるようです。
特に日本語はヨーロッパの言語とは全く体系が違う言語ですので、両者を話す場合には異なった思考回路を用意し、それを切り替える必要があり、それは例えばフランス人の子供が英語を話すのとは全く違う状況だということです。

個人的には外国語は中学生からで問題ないし、小さな子供をいきなり現地校に入れるのは少々かわいそうな気もします。
ただ子供のうちに違う文化の中で生活するというのはいい経験になりますし、どちらがいいかというのは一概に言えません。
いずれにしても子供を外国で育てる場合には注意深い親のサポートが必要だといくことでしょう。

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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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