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学問のすすめ

現代語訳 学問のすすめ (福沢諭吉 齋藤孝=訳、ちくま新書)

本書は文語で書かれた福沢諭吉の学問のすすめを齋藤さんが現代語訳したもの。

当時ベストセラーになっただけでなく今も読み継がれている本だけあり、非常に充実した内容です。
下手なビジネス書や自己啓発の本なんかよりも数段ためになります。
学問の目的から人生設計の技術、人望人脈の築き方まで、研究者やビジネスパーソンが実際に読んで役に立つ言葉がぎっしりと詰まっています。

少し抜粋しますと、

学者はその方針をしっかりと定めて覚悟を決めて臨まねばならない
衣食住を得るだけでは蟻と同じ
自分の心身の働きを使って達すべき目的を達しないのは虫けら同然のバカである


なかなか手厳しい。

我々の仕事というのは、今日この世の中にいて、我々の生きた証を残して、これを長く後世の子孫に伝えることにある
人間たるものは、ただ自身と家族の衣食を得ただけで満足してはならない。人間にはその本性として、それ以上の高い使命があるのだから、社会的な活動に入り、社会の一員として世の中のためにつとめなければならない


なるほど、研究者の本質かもしれません。

ただ生活の糧を互いに争うようなことになれば、優れた若者が、その資質を十分発揮しないまま終わってしまう危険がある
生計を立てるのが困難であるとは言っても、よくよく一家のことを考えれば、早く金を稼いで小さなところで満足するよりも、苦労して倹約し、大成する時を待った方がよいのだ
学者ならば小さな生活の安定に満足するな


ポスドクやレジデントの給料が安いのは我慢しましょう。

人生設計やセルフマネジメントに関して福澤さんは以下のように語っています。

事業の成否・損得について、時々自分の心の中でプラスマイナスの差し引き計算をする
生まれて今まで自分は何事をしたのか、今は何事をなしているのか、今後は何をなすべきか、と自身の点検をする
自分自身の有様を明らかにして、今後の方針を立てる


過去を振り返りそこから自分の強みを明らかにし、今後の進むべき道を決める、というのは今の多くのビジネス書に書かれている人生戦略と同じ方法です。


福澤さんが本書を書いたのは明治の始め、つまり日本が初めて海外への扉を開いて国際的な場での自分たちの立場を意識し始めた時代です。
そのような時代にあって福澤さんは次のように語っています。

西洋文明は確かに我が国の文明を上回ること数段上だが、決して完璧な文明というわけではない
あるものを採用しようとすれば、ゆっくりと時間をかけて考え、だんだんとその性質を明らかにしてから、取捨選択を判断すべきである
日本人として外国人と競うことこそ学問の目的
その知恵で戦う相手は外国人なのである


これからさらにグローバル化が進み研究でも臨床の分野でもますます国際競争力が激しくなってくるでしょう。
そんなとき我々は国際的な場で自分たちの影響力を保ち続けなければなりません。
獣医臨床の世界では海外の獣医が日本に講演に来ることはあっても逆はまれです。
もっと対等な関係を築く努力をしていかないといつまでも日本の立場は弱く、国際的な発言力も弱いままでしょう。
日本もすばらしい研究者や臨床家がいるのですから、あとはそれを国際的に発信していくだけです。
海外の講師に高いお金を払って講演してもらい、日本の資金が海外へ流出するのはもうやめたいものです。

最後に人脈・人望の築き方として、

表情見た目を快くして、一見してただちに人に嫌な感じを与えないようにすることが必要
交際の範囲を広くするコツは関心を様々に持ち、多方面で人に接すること


ごもっとも。


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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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