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犬のアトピー性皮膚炎の新しい診断基準

A prospective study on the clinical features of chronic canine atopic dermatitis and its diagnosis
(Claude Favrot et al. Vet Dermatol 2010)


犬のアトピー性皮膚炎の新しい診断基準を提唱した論文。
アトピー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎以外の掻痒性皮膚疾患(ノミ、疥癬、膿皮症、マラセチア性皮膚炎など)のシグナルメントや臨床症状、アレルギーテストの結果などを比較してアトピー性皮膚炎の診断に必要な感度と特異度の高いクライテリアについて解析しています。

その結果アトピー性皮膚炎と相関関係の高かったクライテリアは以下のもの。
1. 3歳以下で発症
2. 室内飼育
3. コルチコステロイドに反応する
4. 初発は掻痒から始まった
5. 慢性もしくは再発性マラセチア性皮膚炎を持つ
6. 四肢に病変がある
7. 腋窩に病変がある
8. 耳介に病変がある
9. 抗生物質による治療に効果がある(2次性の細菌感染を持つ)


逆に相関関係の低かった、つまりアトピー性皮膚炎の犬に見られないクライテリアは、
1. 耳介辺縁に病変がある
2. 腰背部に病変がある

だったそうです。

彼らはこの結果から以下のクライテリアの中から5つを満たすことが一般診療におけるアトピー性皮膚炎の犬の診断のスクリーニングとして有用であると考察しています。
1. 3歳以下で発症
2. 室内飼育
3. コルチコステロイドに反応する
4. 慢性もしくは再発性マラセチア性皮膚炎を持つ
5. 前肢に病変がある
6. 耳介に病変がある
7. 耳介辺縁には病変がない
8. 腰背部には病変がない


また、この論文で興味深い点は、
① アトピー性皮膚炎と食物性アレルギーは臨床症状では区別がつかないつまり除去食試験をやらないと食物の関与はわからないということ。

② 血清IgE検査の相関係数が高い
これは結構意外でした。
特異度は比較的高く、つまりアトピー性皮膚炎の犬ではIgEは高く、他の掻痒性皮膚疾患では低いということです。
やっぱりアトピー性皮膚炎の犬ではIgEは高くでるんですね。

ただ感度は低いためこれを基に診断を行うと、本当はアトピー性皮膚炎なのにアトピー性皮膚炎でないと診断してしまう恐れがありますので注意が必要です。

もっとも他にももっと見た目でわかる感度と特異度の高いクライテリアがあるわけですから、わざわざ時間もコストもかかるIgE検査を診断に用いる必要性はなく、上記のクライテリアの中にも入っていません。
つまりIgE検査は診断よりも抗原の特定に有用であるということです。


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小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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