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アトピーの犬の皮膚ではセラミドが減少しバリア機能が低下している

Increased transepidermal water loss and decreased ceramide content in lesional and non-lesional skin of dogs with atopic dermatitis (Shimada et al. Vet Dermatol 2009)

今年農工大の大学院を卒業されるDr. Shimadaの論文。
アトピー性皮膚炎の犬の病変部および非病変部ではバリア機能の指標の一つである経皮的水分蒸散量(TEWL)が増加し、角質層における相対的なセラミドの含有量が減少していたことを示した論文。

TEWLはバリア機能と相関し、バリア機能が低下すると皮膚からの水分蒸散量が増えTEWLが高値を示します。
人のアトピーの患者さんやマウスの実験モデルなどでは信頼性の高いバリア機能の評価方法としてよく使われています。

アトピー性皮膚炎の発症にバリア機能の低下が関わっていることが近年明らかになってきています。
Dr. Shimadaらはアトピー性皮膚炎の犬においてもTEWLの高値と角層間脂質の構成成分であるセラミド量の減少が認められることを示しました。
つまり犬のアトピー性皮膚炎ではセラミド量が減少することによって水分が蒸散しやすくなり、ドライスキンになりやすくなっているということです。
一般的に人のアトピーではドライスキンが悪化要因の一つであると考えられており、保湿をすることで症状が改善します。
この論文においてアトピーの犬でもセラミドの減少によってドライスキンになっていることが示唆されたことから、やはり犬においても積極的に保湿などのスキンケアをすることが必要であることがわかりました。

現在様々な保湿系のシャンプー、リンス、スプレーなどがありますが、今後これらを使うことで、実際どの程度バリア機能が回復するのかを科学的に評価する必要があるでしょう。


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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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