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アトピーの犬にチロシンキナーゼ阻害剤

金曜日の1件目はアトピーのヨーキー。
シクロスポリン、減感作療法など様々なものを試してもいっこうに痒みがひかないという主訴。
デボア先生が最近フランスから送ってもらった新しい薬を試すことになりました。
Masivet® (Masitinib, マシチニブ)というチロシンキナーゼ阻害剤。
現在ヨーロッパで犬の肥満細胞腫の治療薬として認可されている動物薬で、アトピー性皮膚炎の治療薬としてヨーロッパで治験が行われており、現在Phase 3だそうです。
日本では犬の肥満細胞腫の治療には用いるチロシンキナーゼ阻害薬としてグリベック®(イマチニブ)があります。
アメリカではファイザーのPalladia® (Toceranib)という動物薬が犬の肥満細胞腫の治療薬として最近FDAの認可を受けたそうです。

チロシンキナーゼ阻害剤はc-Kitのチロシンキナーゼ活性を抑制することで肥満細胞の増殖を抑えます。
人ではあるタイプの白血病の治療薬として用いられてきました。
ただチロシンキナーゼ阻害薬は他にも様々な受容体にも働き、細胞増殖抑制や抗炎症作用を持つことがわかってきています。
現在様々なチロシンキナーゼ阻害剤が存在し、どの薬剤がどの病気に効果があるか各国の製薬メーカーが競って治験に取り組んでいるようです。
マシチニブは人では関節リウマチの治療薬としての治験が行われているようです。

さてそれではこれを日本のアトピーの犬で試すことはできるのか?
方法は二つあって1. 効果の保証されているマシチニブをヨーロッパから輸入する。2. 効果があるかわからないがグリベックを使ってみる。
恐らく輸入は難しいでしょう。
ただグリベックが同じ作用を示してくれるのかどうかもかなり疑問です。
もう少しこのあたりの知見が蓄積されるまで待つ必要があるかもしれません。

そういえばこのヨーキーには本当はマシチニブではなくてインタードック(組換えイヌインターフェロンγ)を使ってみたかったんだよとデボア先生が言っていました。
日本から送ってもらえないかと。
教授に相談してみますと言っておきました。


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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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