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犬のアトピー性皮膚炎とIgE

今日も8時50分からのDr. DeBoerのレクチャーを聞きに行きました。
本日も雪のためDr. DeBoerは少々遅刻。
本日の講義の内容は前日のノミアレルギーの続きを少しと、アトピー性皮膚炎を50分×2。
内容のレベルとしては日本と比較すると明らかに学部生以上、獣医師向けのセミナーと同等もしくはそれ以上でしょうか。
やはり今日も残念ながら寝ている輩は発見できませんでした。

DSC00613.jpg


アトピーの話ではIgEの検査はnot diagnostic、診断の役には全く立たないよということを強調されていました。
IgE検査は減感作療法をする時のアレルゲンの特定のためだけに意味のある検査だと。
全くその通りだと思います。
なぜか日本の獣医業界はアトピーの犬にIgE検査を行うのが大好きで様々な検査会社が様々な方法で検査を行っています。
日本においてもIgE検査に関する正しい知識の浸透が必要だと感じます。

そもそもIgE検査は人のI型アレルギー疾患であるアレルギー性鼻炎、花粉症、小児のアレルギー性喘息などの抗原の特定に有用だとされています。
これらの疾患は抗原を特定することで診断にも治療にも役に立ちます。
しかしながらアトピー性皮膚炎は違います。
I型アレルギーだけでは説明がつかず、30%の患者は総IgE値の上昇が認められません。

日本の獣医業界ではこのあたりがごちゃまぜになっています。
アトピー性皮膚炎の病態をI型アレルギーだけで説明する傾向があります。
日本の獣医業界ではアレルギーの研究を御専門にされている先生がアトピー性皮膚炎に関してレクチャーされているのを時々目にします。
アレルギーを専門にやられている先生がアトピーを語るとどうしてもI型アレルギー、IgEの話になってしまい、それが日本の業界を混乱させている原因ではないかと思います。

アトピー性皮膚炎の犬でIgEが陽性に出ても陰性に出ても、臨床症状がアトピー性皮膚炎に矛盾しないのであればその犬はアトピー性皮膚炎であり(疥癬などの他の類似疾患は除外するのはもちろんですが)、結局は症状を抑えるために治療するしかないのです。
またIgEが陽性に出てもアトピー性皮膚炎の場合は多くの症例が多抗原に反応を示し、加えてほぼ全症例が環境中に無限に存在し除去不可能なハウスダストマイトに反応を示すため、その抗原を避けるようにオーナーに指示することは非現実的です。
ですからデボア先生のおっしゃるようにその先にアレルゲンの特定から減感作療法まで進められる可能性のある時だけにIgE検査の意味があると思います。

このあたりの議論はやり始めると終わらないのでこのあたりでやめておきます。
また別の機会に。


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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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