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皮膚腫瘍は皮膚科が診る?

今回の皮膚病理勉強会は表皮/毛包由来の腫瘍が中心でした。

ヒトの皮膚科では外来や生検の中で腫瘍疾患が占める割合はとても多いのですが、獣医の皮膚科で腫瘍を診ることは多くありません。
一つはそもそもイヌやネコではヒトほど皮膚腫瘍が多くないというのが理由だと思います。
もう一つはイヌやネコの皮膚に腫瘍らしいものができた時に、一般の病院でとりあえず外科的にとってしまうことであまり大学まで腫瘍疾患がまわってこないことも理由でしょう。
なにせほとんどの皮膚腫瘍は取ってしまえば終わりですし、腹腔内のマスのように他の臓器や血管を巻き込んでいることもありませんしオペの手技自体も簡単です。

さらにもう一つの理由は、獣医では腫瘍は皮膚であろうと腹腔内であろうといわゆる“腫瘍科”が診るというということです。
これは日本におけるヒトの医療と獣医医療の大きな違いです
これは日本の獣医医療はアメリカのヒトおよび獣医医療の流れを汲んでいて、アメリカのOncologyをそのまま導入したのが日本の腫瘍科です。

一方日本のヒトの病院には腫瘍科はありません。
胃ガンは消化器内科や消化器外科でオペや化学療法を行い、肺ガンであれば呼吸器内科、呼吸器外科で治療されます。
皮膚腫瘍の場合は生検から病理診断、オペから化学療法まで全て皮膚科で行います。
日本とアメリカのシステムのどちらがいいとは一概に言えません。
アメリカは分業化が好きな国民なので診療科も細分化しており病気はそれぞれの専門医にまかせるというのが徹底されています。
確かにそれは効率的ですし医者も自分の専門に集中できるのでメリットも多いでしょう。
ただ1人の患者が様々な科を渡り歩く(悪く言えばたらい回しにされる)ことでその間のコンサルトがうまくいかず、適切に患者が治療されないケースもあると聞きます。

日本の皮膚科の先生が言っていましたが皮膚科の醍醐味は生検から診断、治療まで全て自分の手で行えることです。
皮疹を診て生検を行い、病理を見て診断する。
それをもとに投薬、外科的切除、化学療法などの適切な治療を自分の手で行う。
そこに皮膚科の神髄があるわけです。

獣医医療でも専門性が進み、診療科が細分化されつつありますが、本当にアメリカの形をそのまま取り入れることが最適なのかどうかはきちんと議論する必要があると思います。
少なくとも僕は診断から治療まで一貫して行う日本の皮膚科のbeautyを支持します。

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プロフィール

小林哲郎

Author:小林哲郎
皮膚免疫を専門に研究している獣医研究者。
2014年よりアメリカNIHに留学。

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