獣医大学院生的日記

獣医大学院生の日々のスケッチの集積。イヌ、ネコの皮膚科診療から幹細胞研究まで。

ステムセルエイジング

慶應で眼科学教室主催の東京医科歯科大学の西村栄美さんのレクチャーがありました。

西村さんはメラノサイトの幹細胞が毛包のバルジ領域にいることをNatureに報告し、さらに白髪のメカニズムがその幹細胞の維持機構に関わっていることをScienceに報告しました。

そして最近メラノサイト幹細胞がゲノム損傷によって分化することで白髪が進むという、ステムセルエイジングの一つのメカニズムをCellにて提唱しました。

Nature, Science, Cellを3大誌制覇された凄腕の研究者です。

西村さん自身はとても穏やかな感じの方で、とてもバリバリ研究をやっているようには見えません。

ただ最初のNatureがアクセプトされるまでに2年間のリバイスを続けたというのですからきっと真面目でうちに秘めたエネルギーを持っているのでしょう。

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丹沢-塔の岳-

文化の日に丹沢の塔の岳にトレッキングに行ってまいりました。

あざみ野の自宅を車で出て1時間ほどであっという間に丹沢に到着です。

この日は寒冷前線の影響で日本全国ものすごく冷え込んだ日。

山頂近くは前日降った雪が残っていました。


DSC_2690.jpg


丹沢は今シカが増えていて食害が問題になっています。

増えた原因は広葉樹林の伐採で下草が増えたことや禁猟の影響などがあるそうです。

木の皮を食べられないようにネットなどで防護対策をしていますが、メインテナンスなどにもお金がかかるでしょうからこの対策を維持していくのは大変だと思います。

もっと根本的な対策を取らないといけないのでしょう。

シカたちはそんなことは知りませんので、いたるところで平和そうに草をはんでいたり、寝っ転がって日向ぼっこをしたりしていました。

DSC_2699.jpg


天候にも恵まれ山頂は登山客で賑わっていました。

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北には裏丹沢と富士山が。

その背後には南アルプス。

まさに圧感です。

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南に目を向けると、秦野の町、その向こうには小田原、伊豆半島が続いています。

海の向こうには大島が見えます。

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少し東に視線を移すと、平塚、藤沢、鎌倉の町と江ノ島、そして三浦半島が。

その向こうにはかすかに房総半島まで見えます。

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東側の山の向こうには横浜の町並みが。

ランドマークタワーがにょきっとはえていました。

DSC_2702.jpg

そこからさらに左には東京の新宿、丸の内のビルの群れが見えます。

その奥には埼玉、そして那須の山々まで見渡すことができました。


DSC_2700.jpg


噂通りのすばらしい展望の山でした。

ほんとに天気がよくてよかった。

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好きよりも得意にこだわる仕事術 - 研究者の仕事術 その2 -

島岡要さんは「研究者の仕事術」(羊土社)の中で、長所の強化を主眼にした“Strengths-based approach (SBA仕事術)”を提言しています。

この方法論の根底にあるドグマは、「人は強みのある分野に最大の成長の可能性がある」という考え方です。

成功している研究者やビジネスパーソンを見てみると、彼らは共通して何か一つの分野で卓越した技術を発揮し、その分野で誰にも負けない業績を上げたことからプロフェッショナルとして認められています。

決して何でもできる人物が一流として認められているわけではありません。

有名な研究者や大学の教授などは、とても博学で幅広い知識を持っており一見何でもできそうな気がします。

しかし彼らのバックグラウンドを見てみると、下積み時代には非常に狭い領域のある特定の分野で業績を上げています。

それは時として一つの細胞間接着分子であったり、はたまたショウジョウバエの形態に異常をきたす遺伝子であったりします。

そこで築いたキャリアを土台にすることで、優秀な人材が集まり、優秀な研究者とコラボできるようになり、大きなプロジェクトを立ち上げ、そこで成功する。

そうするとさらに優秀な人材が集まりさらに大きな仕事ができるという、正のサイクルが成り立ちます。


一つの分野をやっていると隣の庭はよく見えるもので、あちらの方が早く論文が書けるのではないかとか、将来役に立つのではないかと思ってしまうものです。

僕自身も皮膚再生の分野をやり始めてそろそろ3年経ちますが、時に免疫関係の仕事をやってみたいと思ったり、皮膚バリアの仕事も面白そうだなと思ったりします。

また臨床においても、果たして皮膚科ばかりやっていてよいのだろうか、もう少し一般臨床をやってジェネラルにできた方が将来役に立つのではないだろうかと不安になることもあります。

しかしながら、様々な興味のあること(好きなこと)に手を出すことで、自分の強み(得意)なものを何も築けずに終わってしまう可能性があります。

つまり、「仕事での高いパフォーマンスは得意であることでしか発揮できない。不得意なもので高いパフォーマンスを発揮することは決してできない」(P.F.ドラッカー)ということです。

僕も非常に目移りしやすい性格ですので、あれもやりたいこれもやりたい、あれも面白そうだと思ってしまうことが多々あります。

しかし、今の分野(再生と獣医皮膚科学)でプロフェッショナルと認められるまではしっかり腰を落ち着けて頑張っていくことが必要である思いました。

島岡さんのブログはこちら
ハーバード大学医学部留学・独立日記


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研究者の仕事術

島岡要さんの「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術」

島岡さんのブログはよく拝見させていただいており、今回出版された本を大学の生協見つけたときも2,800円という値段に若干躊躇しましたが、購入いたしました。

非常に充実した内容で素晴らしい本だと思います。

研究者向けに書かれた本ですが、内容は様々なビジネス書、マネージメント理論などを土台にしています。

単なる成功体験本や個人的な指南書のようなものではなく、研究者としてはもちろん、一人の人間として仕事をしていく上での方法論が具体的にかつ論理的に書かれています。

流し読みするにはもったいない気がするので毎日大切に読んでいます。


まず、根本的な質問から始まります。

なんのために仕事をするのか?

筆者は田坂広志氏の言葉を引用し、「仕事の最高の報酬とは人間的成長である」と仕事の本質について述べています。

仕事を通した自分の成長と、さらに成長することで新たなより大きな仕事を成し遂げる機会を得るという正のフィードバックが成り立つ。

自分が成長したと感じる時、例えばそれは学生であればテストでいい点を取った時とか、試験に合格した時など。

研究者であれば自分の論文がアクセプトされた時や国際学会で発表した時などがそうです。

そのような時、それによって起こる次のイベント、例えばよい大学に入れるとか論文がアクセプトされて業績が増えるということが嬉しいだけではありません。

自分が努力したことによって、第3者から相対的な評価が得られたこと、そしてそれによって自分の成長を実感できたことが嬉しいはずです。

この嬉しさを一度覚えた人はさらなる成長をもとめてその後も日々努力するのだと思います。

その正のサイクルに乗れるかどうかが幸せに仕事をやれるかどうかの決め手になるのではないのでしょうか。

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ハーバード大学医学部留学・独立日記


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若者の「うつ」

傳田健三さんの「若者のうつ」

特に自分がうつというわけではないのですが、周りを見てみるといわゆる学校に来られなくなってしまっている「うつ」っぽい人を見かけます。

精神科医の筆者がこの本の中で言及している若者に見られる「新型うつ病」とは、自分の好きな活動の時は元気だが仕事や勉強になると調子が悪くなるという一面があるそうです。

これは興味や喜びが喪失し、睡眠・食欲障害、自殺願望などが見られる典型的なうつ病(メランコリー型)とは分けて考えられています。

生物学的な観点から見るとうつ病の原因は脳内の神経伝達物質の機能障害が関わっていることがわかっていますが、その機能障害が起こったときの本人を取りまく社会環境が症状の現れ方に大きく影響しているそうです。

周りにいる「うつ」っぽい人を見てみると、ただ単に怠けているだけじゃないかと思う部分もあります。

ただ、その原因の一つにそんなに頑張らなくてもなんとかやっていけるという社会背景があるのも事実だと思います。

獣医のアカデミックの領域は閉塞された小さなコミュニティーで形成されており、あまり競争意識がありません。

特に上を目指さなければそこそこやっていると周りに競争相手もいないのでなんとかなってしまうという世界です。

一方医学のアカデミックの領域は競争が激しく世界中色々な場所に競争相手がいるため常に全力でやっていないと生き残れません。

人間全力で頑張っている時が一番充実感を覚え、さらに頑張ろうと思うのではないでしょうか。

ただもちろんそういう厳しい競争社会では従来型のうつ病のリスクが高まるため一概に良いとは言えません。

簡単には解決できない問題ですがうつ病のリスクは常に誰にでもあり、早期に発見し対処することが重要だと筆者は言っています。

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